隣町に約二百メートルとわずかだが、
古い街道沿いに古民家が並ぶ、
昔の日本の風情を感じさせてくれる道がある。
町並み保存会が活動したお陰で残すことができたそうだ。
散歩道として気分よく歩くことのできる、
ごく少ない、人に優しい道である。
そこの古民家の格子や木の塀、
何軒かの木造建築を見ながら歩いている時に、ふと気付いた。
ああ、そういえばホームセンターなどで売られている
輸入材のラティスや木製ベランダだと、10年も経つと、歪んだり
汚れたりして、寂しく痛々しい印象になる。
あるいは、今流行の飲食店で、ヨーロッパ風やらアメリカ風やらアジア風、
サブカル的?やロック的?な意匠の建物や店舗装飾が、
やはり、十年位経過すると、どこか荒れた印象になっていくところが
多い気がする。そう思うのは私だけだろうか…。
つまり、アイデンティティの底が浅い意匠と言えば良いのか、
そうした「物」は、時間と共に「美や風情」を刻む事が難しいのだろう。
だが、日本の木材を使って作られた建物、窓枠や格子や木塀など様々な建材は、
味わいとなり、経過した時間に歴史を感じさせてくれる。
情緒、風格のある佇まいが、街全体にまで生み出されるんだな、と。
良くできたものだ。
地産地消という言葉は食べ物だけではないようだ。
その土地、その風土にあった物を使うというのは、
建物にも通じる、あるいは衣類にも。
言葉や習慣、文化…様々な価値観に繋がっていることだろう。
風土にあった暮らし方は、そこに住まう人々の心も
安定させてくれるようにも思う。
結局、遠くの世界・青い鳥“偽イメージ・偽情報”を
追っても仕方が無い。幻想でしかない。
身近な土地・世界を活かして暮らす事は、
環境負荷が少なく、自然を生かすことにも繋がる。
人間の第一使命だな…と思った次第。
本当の自然循環は、身近な小さなことから
もたらすものなのだろうな…、と。
自己中心的ではなくて。
己の中心に気付くことか。。。
話が飛躍してしまった…。^^;