マスコミを利用しなくなり、語彙力が一時低下したように感じた。
これは、良くない傾向だろうか?と考えたこともあったが、さにあらん。
しばらくして、今まで浮かんで来なかった言葉が増えたようにも感じられ、
やはり時間を費やすのなら読書が良い、と実感し始めた。
テレビ世代の私は見続けている長い年月、少なからず自分の観察の視点や
言葉で物事を思考しておらず、テレビの発信する内容や言葉が、私を
支配していたことをマスコミを遠ざけるようになって改めて、
気付かされたのである。
マスコミ中毒になっている多くの人間は、脳内の話題が常にマスコミと
自分の考えや感情が連動しているのである。つまりマスコミ情報に思考も感情も
支配、制御され続けているのだ。更に今はケイタイを後生大事にする人間が
増大したから、「マスコミとケイタイと脳」の連動した中毒症状に拍車が
かかっているだろう。
人生が実感の伴わない道具で、受け身で脳だけが右往左往しているのである。
言語をテレビから仕入れる機会が多いマスコミ中毒者は、
ミラー反応と言えば良いだろうか。
同じような言葉を反射的に発する、あるいは思考や言語が
マスコミから仕入れた語彙を無意識に使う言動になるであろう。
幼児がテレビを見ながら踊ったり喋ったりする状態は
同化行動、ミラー反応で、幼児のように明らさまではなくとも、
大人も同化してしまう行動を無意識にしていると推察する。
前回も書いたが前頭葉でほんの少し未来をイメージ
しながら人間は行動をしようとするメカニズムである。
テレビを見ていると自然にイメージや言語の反応がテレビに
相似してくるのは、誰しも薄々は感じていることではないだろうか。
己の意識、人生がひたすらに、マスコミとケイタイで
妨害され続けているのである。
マスコミが偽装集団であるから利用しないに越したことは無い、
のみならず、疑似体験に留まる脳へだけの刺激や、
市民への情報が一方通行であるのは、
明らかに意識のコントロール以外の何物でもない。
主体的な人生に有効であるかを問えば、否であろう。
正に汚染脳社会であり、心身を守るのは己の意識だけなのだ。