ただいま日記

洗脳社会〟の手法を「知って。気付いて。」 自分に帰ろう。今に戻ろう。

2005年4月11日mixiに書いた日記(使い方間違ってるかも…)闇権を知る前だな。

『地球買いモノ白書』(どこからどこへ研究会:出版社コモンズ)という本を
図書館で借りて読みました。子供にもおおまかには、
解る親切な本です。
P.90に書かれた内容「日本は貿易黒字で、輸入金額より
輸出金額が上回っている。
しかし、物質量つまり重さで見た場合、輸入重量が圧倒的に輸出量を上回っている。
日本は資源と製品を合わせ、年間7.8億tの物質を輸入し、これに国内で採取した砂利や
石などを11.2億を加えると、新たに使用している物質は19.1億t。国民一人当り
15tにも相当する量。そのうち輸出されるのはわずか1億tで、5.2億tは廃棄物。
そして、11.5億tが街や屋内に年々蓄積され、物質的豊かさをつくりだしている。
(資料平成14年度版環境白書)」

この本にはチキン、マグロ、カップ麺、缶コーヒー、
カラーマガジン、スポーツシューズ、ケータイ、
ダイヤモンドの指輪、金、マンション、と
10 種の身近なモノを例に、原料はどの国で誰がどのようにして得て、またどのような問題を抱え日本に輸入、加工され、消費、廃棄されているかの概略をイラスト を交え解りやすく書かれています。知っていたほうが消費者の為になるけれど、よほど調べないと解らない企業製品などの裏側を書いています。
決して否定的に書かれてはいませんが、どの製品も地球には決してヤサシクないことは自明です。
また劣悪な労働環境でわずかな賃金のために働いている人々についても触れています。
私があまりにもショックを受けたのは、
有史以来人間を魅了している金の採掘についてでした。
何気なく使う金のアクセサリーや工業製品の利用、スイスの銀行に眠っている金塊について。

(P.74より以下抜粋)
南アフリカ共和国の金鉱山の採掘現場では危険な作業で
年間170人が死亡と書かれています。
地下1600m、約3000mの深さまで掘削し、その坑内の環境は地熱により1600m地点で38℃、さらに1600m下ると50℃以上。空調によって40℃に下げているが、掘削に水を使うため湿度は時に100%近くなる。(窒息しそうです。)

南アフリカ共和国の金鉱山で働く人は周辺諸国から出稼ぎに来る黒人男性。
南アフリカで金が発見されて以来、技術職は白人、鉱夫は黒人と明確に分けられてきた。
黒人を技術職から締め出した法律は1987年に廃止されたが、実態は今も変わっていない。
黒人労働者の平均月収は370ドル、白人は1500ドル(96年)と大きな格差がある。
金鉱山での仕事環境は厳しく危険に満ち、
地下にかかる上からの圧力で岩盤は前触れなく落下。
亡くなる170人のうち反数以上落盤によるものという。
その他HIV感染なども多い、その他死因の記載は
ないのだが。
また、黒人労働者は6m四方の部屋に12人という寮に
入れられ、家族には1ヶ月に一度しか会えない。

私が思うに、大昔からある金の採掘労働も、今や資源が少なくなり、より困難な状況で掘り起こしていることも
昔より今の方が仕事がきつい一面はあるのかもしれないです。

スポーツシューズ、いわゆるアディタスやナイキ、ニューバランスなど、
広告でかっこいいイメージになったそれらのシューズはどのように消費者のもとへくるのか・・・。
1990年代以降労働条件の劣悪さは問題になり、
欧米のマスメディアやインターネットにも告発されるようになってきた。

中国では18才から25才の若い女性が平均時給30円、工場にびっしり人が座り、労働時間7時半から21時半、週休1日という条件のもと働いている。
各ブランドメーカーの物は同じ工場で作られている。
話はそれるが、有名ブランドの化粧品もパッケージや香料を変えるだけで 同じ工場で、
作られているのは多少知られた話だ。

ハイテクに見えるシューズも、製造過程については細かな手作業。
たくさんのパーツをミシンで縫ったり、
有害物質が発生する接着剤などでパーツを
張り合わせる。
そのせいで体調を崩す人もいるという。
シューズの売れ行きを上げるため各メーカーはモデルチェンジを年4回。
日本は2ヶ月に1回。(サイクルは違うが日本の自動車やケイタイも同じ)
1足あたりにかかる広告経費は製造する人の賃金より多い。
一部屋12人という寮で生活。25才を過ぎると歳を取り過ぎているという理由で解雇。
労働組合を作る、条件改善を求めることは
禁じられている。
今は労働賃金のさらに安いベトナムインドネシアなどにも移項しているという。


どの商品も消費の快楽と罪というのか、やりきれない思いが残る。
消費される物には喜びの10倍くらい悲しさが横たわっている気がする。
工場や鉱山で仕事をする人に働く喜びが感じられるような環境にと願いたくなり、
あるいは、もっと仕事の質が良くなるような消費や
お金の循環を生み出すよう
買い手も考えていかなくてはとも思う。
編者の早苗康子さんという方が、
『情報のブラックボックス』に挑戦していきたい、
との言葉に私も共感を覚えた。
この本を読み終え感じたことは、モデルチェンジや
多様化多品種と銘打った広告でイメージにつられ、
消費する日本はどの国より消費サイクルが激しい。
戦後の日本人はアイデンティティが弱く、気まぐれで
影響されやすい国民性なのだと再認識。
商品に飽きるのでは無く、広告に飽きたい、と思える。
私たちはもっと「情報のブラックボックス」に気付いて、
短絡的な消費から抜け出さなくては。
様々な理由によってTVや新聞雑誌の情報は、
あくまでも断片だと多くの人はずっと前から
感じていると思う。

そして、この本は、食品などはフェアトレードで、
またインターネットをうまく活用することが改善して
いく方法ではないかと示唆している。